回想録 -横顔編

数ヶ月後、数年後に見て楽しむ為のもの

岩波文庫と朝の珈琲

2人目の紹介をしてみようと思う。

 

彼は、大学で研究をしている人。とても頭の良い人で、学部生は主席で卒業したのだとか。知人の紹介がキッカケで会うようになった。

 

あまり感情を表に出さず、冷静沈着という言葉が似合うタイプ。

寝るときに息を荒げた時、この人は寝る時は流石にこういう風になるんだなあと思わず関心してしまった(失礼)

 

とてもしっかりしてて、きっとあまり迷うことなく自分の道を決めて足を進められる人なんだろうと思う。

 

けれど、たまに本当に理由の分からない挙動をするので(特に一緒にいる時など)、まだまだ「特徴」を摑みきれていない。

 

1番印象的だったのは、私と彼の年の差について話した時のこと。

私と彼は8個差で、「貴方が今の私の年齢だった頃、私は13歳だね」なんて話をしていた。

そしたら、「じゃあ13歳らしく振る舞ってよ」って割と真顔で唐突に言ってきたのだ。

 

未だにこの言動の真意が掴めていない。というか、本当に訳が分からない。

 

 

そんな彼を特に好きだなあと思ったときは、初めて家に泊まった次の日の朝。

目覚まし時計が鳴って、彼の部屋で目を覚ますと、彼は私に珈琲を入れてくれた。

彼の部屋は、柔軟剤の香りと、本棚に沢山入った岩波文庫が印象によく残る。

 

そんな部屋で珈琲を飲んだ朝は、今まで過ごした朝の中でも指折りに入るくらい素敵だったなあと思っている。